本当に離婚したい?|夫婦関係を終わらせる前に考えるべき5つのこと

「旦那が嫌い。」

「近くにいるだけでイライラする。」

「嫁の顔を見たくもない。」

「もう、私たち夫婦は終わっている。」

「早く離婚して、自由になりたい。」

SNSを見ていると、このような言葉を目にすることがあります。

また、夫婦関係について相談を受けていると、

「もう離婚しかないと思っています」

「相手が変わらない限り、もう無理です」

と話される方もいます。

もちろん、離婚という選択が必要な関係もあります。

暴力や虐待、安全が脅かされている状況などでは、「関係を修復すること」よりも、まず自分や子どもの安全を守ることが最優先です。

そのうえで、私は一つ、考えてみてほしいことがあります。

本当に、あなたが終わらせたいのは「結婚」なのでしょうか?

私は、

離婚を考えたときから、本当の意味での「結婚」が始まることがある

と思っています。

それは、相手との結婚ではありません。

「自分自身との結婚」です。

なぜ自分は、この人を選んだのか。

なぜ、これほど相手にイライラするようになったのか。

いつから会話をしなくなったのか。

いつから触れなくなったのか。

本当は相手に何を求めていたのか。

そして、自分はどんな人生を生きたいのか。

離婚を考えるほど夫婦関係が苦しくなったとき、初めてこうした問いと向き合う人も少なくありません。

ここで興味深いデータがあります。

米国の研究や人口統計を見ると、一般的に再婚は初婚よりも離婚に至るリスクが高い傾向が報告されています。

もちろん、これは「一度離婚した人は、また必ず離婚する」という意味ではありません。

再婚には、前の結婚で生まれた子どもとの関係、元配偶者との関係、家計や家族構成など、初婚とは異なる複雑な事情もあります。

また、米国と日本では文化や結婚観も違うため、米国の数字をそのまま日本人に当てはめることもできません。

それでも、このデータから考えてみたいことがあります。

それは、

「相手を変えるだけで、すべての問題は解決するのだろうか?」

ということです。

夫婦関係で起きていた問題のすべてが、相手だけに原因があるとは限りません。

  • 自分の気持ちを言えない。
  • 嫌われるのが怖くて我慢する。
  • 相手に期待して、察してもらおうとする。
  • 不満があっても話し合わない。
  • いつの間にか触れ合わなくなる。
  • 「この人はこういう人だから」と決めつける。

もし、このような自分自身の「関係のつくり方」が苦しさの一部に関係していたとしたら。

相手だけを変えても、似たような問題が次の関係で現れる可能性はあります。

だからこそ、離婚するか、しないかという答えを急ぐ前に、

一度、自分と夫婦関係そのものを見つめ直してみる。

それには大きな意味があると思います。

そして、その過程で、

「まだ、この人とやり直したい」

と思うかもしれません。

反対に、

「できることはやった。それでも私は別の人生を歩みたい」

という答えにたどり着くかもしれません。

どちらが正解ということではありません。

大切なのは、

「相手が嫌だから離婚する」というところだけで思考を止めず、自分は本当はどう生きたいのかまで考えてみること。

そこまで自分と向き合って初めて、自分で選んだ人生を歩き始められるのではないでしょうか。

今回は、

「本当に離婚したいの?」

そう自分自身に問いかけながら、離婚を決断する前に一度考えてみてほしい5つのことを紹介します。

目次

1) 自分軸で生きているのか

あなたは、自分の人生を相手に委ねていませんか?

何をするにも、相手に合わせていませんか?

自分の「好き」「嫌い」を、はっきり伝えられていますか?

相手を傷つけたくない。

嫌われたくない。

自分も傷つきたくない。

そんな思いから、本当の気持ちを言えなくなっていませんか?

相手に合わせ続けていると、最初はうまくいっているように見えても、少しずつ苦しくなっていくことがあります。

なぜなら、自分が本当にしたいことと、実際にしていることの間にズレが生まれていくからです。

もちろん、夫婦やカップルとして一緒に生きていれば、お互いに譲り合ったり、妥協したりすることは必要です。

しかし、「相手を思いやって譲ること」と「自分の本音を押し殺して相手に合わせること」は、まったく違います。

自分が本当はどうしたいのか。

何が好きで、何が嫌なのか。

何をされると嬉しくて、何をされると傷つくのか。

それを相手に伝えられないまま、自分の気持ちを後回しにし続けていると、少しずつ不満やストレスが溜まっていきます。

そして、いつしかその苦しさを、

「この人といるから私は幸せじゃない」

と感じるようになることがあります。

でも、本当に嫌いなのは「相手」なのでしょうか?

もしかしたら、

相手に合わせすぎている自分を変えられないことへの不満なのかもしれません。

自分の気持ちを大切にできていないこと。

本当は嫌なのに「いいよ」と言ってしまうこと。

本当はこうしたいのに、相手の顔色を見て諦めてしまうこと。

そんなふうに、自分自身を大切にできていない生き方に苦しんでいるのかもしれません。

自分軸で生きることは、わがままになることではありません。

相手を大切にしながら、自分の気持ちも同じように大切にすることです。

「相手がどう思うか」だけではなく、

「私はどうしたいのか?」

と自分自身に問いかけられること。

離婚を考える前に、一度この問いを自分に投げかけてみてください。

私は、この人が嫌いなのか。

それとも、この人といるときの「自分の生き方」が嫌なのか。

この二つは、似ているようで大きく違います。

自分軸については、以下の記事で詳しくまとめています。

よかったら、あわせてご覧ください。

2) 相手のことを「分かり切ったつもり」になっていないか

夫婦生活が長くなると、一緒にいることが日常になります。

毎日顔を合わせて、同じ家で過ごし、長い時間を共有する。

すると、いつの間にか、

「この人のことはもう分かっている」

と思うようになることがあります。

でも、私たちは日々変わっています。

積み重ねてきた経験。

そのとき感じていること。

大切にしている価値観。

採用している考え方や哲学。

昨日と今日で、まったく同じ人間ではありません。

それだけではなく、人は一人ひとり違います。

素質や才能、五感の感じ方、物事の捉え方、心が動くポイント。

同じ出来事を経験しても、何を感じるかは人によって違います。

つまり、どれだけ長く一緒にいたとしても、相手のことを100%知ることはできないのです。

そもそも、最初にお互いが惹かれた理由の一つは、相手が「未知の存在」だったからではないでしょうか。

どんなことを考えているんだろう。

何が好きなんだろう。

どうしてこんな考え方をするんだろう。

自分にはない価値観や性格に惹かれたり、どこかミステリアスな部分に魅力を感じたりする。

「知らない」ということが、相手への好奇心を生みます。

でも、長く一緒にいるうちに、

「この人はこういう人だから」

「どうせこう言うだろう」

「またいつものパターンだ」

と、相手を分かったつもりになっていくことがあります。

相手がどういう人かを勝手に断定して、枠の中に入れてしまっているのを説明している画像

相手を分かり切ったつもりになるということは、

「この人は〇〇な人だ」と断定して、一つの枠の中にはめることでもあります。

そして、一度その枠にはめてしまうと、それ以上相手を知ろうとする好奇心が失われていきます。

本当は相手も変わっているのに、その変化に気づかない。

本当は新しい一面があるのに、「もう知っている」と決めつけて見ようとしない。

その積み重ねが、夫婦関係のマンネリにつながったり、

  • 「相手に魅力を感じなくなった」
  • 「一緒にいてもつまらない」
  • 「この人のことが嫌いになった」

と感じる原因の一つになることがあります。

でも、本当に相手に魅力がなくなったのでしょうか?

それとも、

「もうこの人のことは分かっている」と思って、相手を知ろうとすることをやめてしまったのでしょうか。

何年、何十年一緒にいたとしても、相手は完全には分かりません。

だからこそ、

  • 「最近、何を考えているんだろう?」
  • 「今は何が好きなんだろう?」
  • 「昔と変わったところはあるのかな?」

と、もう一度相手に興味を持ってみる。

お互いが毎日変化しているというのを表している

夫婦関係に必要なのは、相手を理解し切ることではなく、

「この人には、まだ自分の知らない部分がある」と思い続けることなのかもしれません。

3) 本当の意味でコミュニケーションをとっているのか

「ちゃんとコミュニケーションをとっているのに、分かってくれない」

「話し合おうとしても、すぐに喧嘩になって終わってしまう」

「こっちは話し合いたいのに、向こうが話を聞いてくれない」

このように感じている方もいるかもしれません。

まず、コミュニケーションをとろうという意識を持っていること自体、とても大切なことだと思います。

コミュニケーションを諦めていないということは、あなたの中に「どうにかしてこの関係を良くしたい」という気持ちが、まだ残っているということでもあるからです。

ただ、一つ考えてみてほしいことがあります。

あなたにとっての「コミュニケーション」と、相手にとっての「コミュニケーション」は、本当に同じでしょうか?

話していることと、伝わっていることが違うことを表す画像。女性は話すと円が現れる。男性が話すと三角が現れる。
お互いがコミュニケーションをとっていても形が異なる場合があります

自分では「ちゃんと伝えている」と思っていても、相手には責められているように聞こえているかもしれません。

自分では「話し合って解決したい」と思っていても、相手はまず気持ちを受け止めてもらいたいと思っているかもしれません。

反対に、ただ話を聞いてほしいだけなのに、相手は「問題を解決しなければ」と考えて、すぐにアドバイスをしてしまうこともあります。

人によって、物事の感じ方も、言葉の受け取り方も、感情の表現方法も違います。

育ってきた環境やこれまでの経験、性格や価値観によっても、コミュニケーションの取り方は変わります。

だからこそ、

「私はこれだけ話しているのだから、伝わっているはず」

とは限らないのです。

話していることと、伝わっていることは違います。

そして、相手の言葉を聞いていることと、相手を理解しようとしていることも違います。

もしかしたら、二人とも一生懸命コミュニケーションをとろうとしているのに、お互いが違う方法で相手に近づこうとしているため、すれ違っているだけなのかもしれません。

だからこそ、まずは、

「自分と相手では、コミュニケーションの取り方や受け取り方が違うかもしれない」

という前提に立ってみる。

コミュニケーションの取り方が違うことを理解する男性と女性
コミュニケーションの取り方が違うことを理解する

「なんで分かってくれないの?」

ではなく、

「どう伝えたら、この人には伝わるんだろう?」

「この人は、本当は何を伝えようとしているんだろう?」

そんなふうに、少し違う角度から相手の言葉を見てみる。

そうすることで、これまで何度話し合ってもすれ違っていた二人が、少しずつお互いを理解できる関係に変わっていくかもしれません。

夫婦・カップルのコミュニケーションについては、以下の記事で詳しくまとめています。

「話しているのに、なぜか分かり合えない」と感じている方は、ぜひあわせて読んでみてください。

4) 夫婦の間にスキンシップはあるのか

スキンシップをとっている男性と女性

あなたは最近、パートナーに触れていますか?

  • 手をつなぐ。
  • ハグをする。
  • 隣に座って肩を寄せる。
  • 「いってらっしゃい」と背中に触れる。
  • 一緒にお風呂に入る。

セックスだけではありません。

日常の中には、たくさんのスキンシップがあります。

私は、スキンシップは恋愛関係を支える大切な土台の一つだと考えています。

なぜなら、触れ合いは単に「肌と肌が触れる」という行為だけではないからです。

人との心地よい触れ合いについては、オキシトシンなどの「幸せホルモン」の分泌を促し、親密な相手との触れ合いが安心感や心身の安定に関わる可能性が研究で示されています。

つまり、スキンシップには、二人の間に「安心」をつくる材料がたくさん詰まっているのです。

そして私は、この「安心」こそが夫婦関係においてとても大切だと考えています。

二人の間に安心感があると、心と身体の緊張がゆるみます。

すると、ゆっくり話をしたり、

相手のことをもっと知ろうとしたり、

自分の弱い部分や本当の気持ちを伝えたりすることも、少しずつしやすくなります。

これまで紹介してきた、

  • 「自分の本音を伝えること」
  • 「相手を分かり切ったつもりにならず、もっと知ろうとすること」
  • 「本当の意味でコミュニケーションをとること」

こうしたことの土台にも、二人の間の「安心」が関係しているのではないでしょうか。

そして、好きな人との心地よい触れ合いには、もう一つ大切なことがあります。

それは、

「この人と一緒にいると、なんだか心地いい」

という身体の感覚です。

頭の中では、

「もう好きじゃないかもしれない」

「夫婦として終わっているかもしれない」

と思っていたとしても、久しぶりに手をつないだとき。

そっと抱きしめられたとき。

背中を優しく撫でてもらったとき。

身体のほうが先に、忘れていた安心感を思い出すこともあるかもしれません。

もちろん、無理に触れ合う必要はありません。

触れられることが苦痛だったり、怖かったり、相手との間に解決していない問題があったりするなら、その気持ちを無視してまでスキンシップをとる必要はないと思います。

でも、もし二人の間からいつの間にか触れ合いがなくなっていたのなら、

「もう愛していないから触れない」

と決めつける前に、一度考えてみてもいいかもしれません。

愛がなくなったから触れなくなったのか。

それとも、

触れなくなったことで、愛を感じる瞬間が少なくなっていったのか。

夫婦の間にもう一度「安心」が戻ったとき、

ゆっくり会話ができるようになったり、

相手のことをもう一度知りたいと思えたり、

自分の本音を伝えられるようになったりするかもしれません。

そして何より、好きな人だからこそ感じられる「心地いい」という感覚が、

「やっぱり、この人を選んでよかった」

という気持ちにつながることもあるのではないでしょうか。

スキンシップと夫婦関係については、以下の記事でも詳しくまとめています。

ぜひ、あわせて読んでみてください。

5)「相手が変われば幸せになれる」と思っていないか

相手を変えることは、とても難しいことです。

なぜなら、相手が何を考え、どう行動するかを決めるのは相手自身だからです。

だからこそ夫婦関係を変えたいときは、「相手をどう変えるか」ではなく、まず「自分に何ができるか」に目を向けてみてください。

「どうして分かってくれないの?」
「どうしてやってくれないの?」

そう思ったとき、その奥には、

「もっと私を見てほしい」
「ありがとうと言ってほしい」
「抱きしめてほしい」

そんな本音が隠れているかもしれません。

ここで大切なのが「自分軸」です。

自分がどうしたいのかを知り、その気持ちを相手に伝える。

嫌なら「嫌」、寂しいなら「寂しい」、してほしいなら「してほしい」と伝える。

相手を変えようとするのではなく、まず自分の本音を知り、自分ができることに目を向ける。

そこから、二人の関係が少しずつ変わり始めるかもしれません。

まとめ離婚を決める前に、もう一度だけ考えてみてほしいこと

ここまで、離婚を考える前に一度考えてほしい5つのことをお話ししてきました。

  • 自分軸で生きているのか。
  • 相手を分かり切ったつもりになっていないか。
  • 本当の意味でコミュニケーションをとっているのか。
  • 夫婦の間にスキンシップはあるのか。

そして、

「相手が変われば、自分は幸せになれる」

と思っていないか。

離婚を考えたときは、ある意味、本当の「結婚」の始まりなのかもしれません。

それはまず、自分自身との結婚です。

「私は本当はどう生きたい?」
「どう愛されたい?」
「どう相手を愛したい?」

その答えを相手任せにせず、自分自身に問いかけてみる。

そのうえで、もう一度パートナーを見てみてください。

相手を知ろうとする。自分の本音を伝える。相手の言葉を聞く。そして、二人が望むなら、もう一度触れ合ってみる。

それでも別々の人生を歩みたいと思うなら、それも一つの答えです。

でも、離婚を決める前に、一度だけ問いかけてみてください。

本当に、二人の関係はもう終わっていますか?

もしかしたら、終わりだと思っていたその場所から、新しい二人の関係が始まるのかもしれません。

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この記事を書いた人

セラピスト歴約3年。施術・カウンセリングを通して、スキンシップが心身や夫婦・カップルの関係に与える影響を研究しています。

現場での経験と科学的な知見をもとに、触れ合いの大切さを発信しています。

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