本当のフェム(ヨニ)ケアとは?|「女性性の解放」の前に、自分の身体を感じるということ

フェムケア

最近、「フェムケア」という言葉をよく目にするようになりました。

フェムケアとは、女性の身体やデリケートゾーン、月経、更年期、性などにまつわるケアを指す言葉として広がっています。

私は、これはとても良い流れだと思っています。

これまで女性の性器や性については、どこか「人に話してはいけないもの」「隠しておくもの」とされてきました。

だからこそ、

  • 「自分の身体をもっと知ろう」
  • 「自分の性を大切にしよう」
  • 「自分の感覚を取り戻そう」

という意識が広がっていくことには、大きな意味があると思います。

一方で、フェムケアという言葉が広がる中で、私が少し立ち止まって考えてみたいことがあります。

それは、

「女性性を開くためには、何かを買わなければならないのだろうか?」

ということです。

ヨニワンド、ヨニエッグ、膣ケアオイル、デリケートゾーンオイル、インナージェルなど、さまざまな商品があります。

「これを使えば、もっと感じられる」
「これで女性性が開く」
「これでお膣が潤う」
「これで本来の自分に戻れる」
「これで子宮が癒される」
「これで自分に合ったパートナーを引き寄せる」

そんな言葉を目にすることもあります。

もちろん、こうした商品が必要な方もいるでしょう。

私自身も、フェムケア製品やヨニワンドを否定したいわけではありません。

むしろ、選択肢が増えたこと自体は素晴らしいことだと思っています。

ただ、どんな商品やサービスを選ぶにしても、

「私は本当にこれを必要としているのだろうか?」

と、一度自分に問いかけてみてほしいのです。


目次

フェムケアの前に、まず「自分」を感じてみる

資本主義の社会では、悩みがあるところに商品やサービスが生まれます。

それ自体は悪いことではありません。

私自身も「女性性の解放」や「目合ひ」をテーマにしたセッションをしています。

私も、誰かの悩みや願いに対して、自分の経験や知識、時間を使ってサービスを提供し、その対価としてお金をいただいています。

だから、

「フェムケアをビジネスにすることは悪い」

とはまったく思いません。

むしろ、必要としている人に必要なものが届くことは、とても良いことだと思います。

大切なのは、

私はそこが大切なのではないかと思っています。

「あなたには問題があります」

「あなたはまだ開いていません」

「これを使えば、もっと女性性が開きます」

そんな言葉を聞いたときに、

「私には何か足りないのかもしれない」

と焦ってしまうのではなく、

一度立ち止まってみる。

そして、

「私は本当にこれを望んでいるのかな?」

と自分に聞いてみる。

それだけでも、十分に自分の身体と向き合う時間になると思います。


私が恋愛の中で感じた「道具」と「感覚」の違い

私がこのテーマについて考えるようになったのには、自分自身の経験があります。

私は男性ですが、恋愛経験を通して、フェムケア製品のヨニワンドを、実際に彼女と一緒に使った経験があります。

また、その女性がどのように使っているのかを見たり、使ったときにどんなことを感じたのか、何度も話を聞いてきました。その中でも印象に残っているのが、仕事が忙しく、普段から緊張が強い女性との経験です。

頭の中ではいつも、

「これをしなきゃ」
「もっと頑張らなきゃ」
「ちゃんとしなきゃ」

と、いろいろなことを考えている。

身体はそこにあるのに、意識はいつも頭の中にあるような状態でした。

彼女はそんな自分の身体について、

「もっと自分の身体を感じられるようになりたい」
「お膣周辺の感覚を育てたい」
「もっと目合ひ(まぐわい)ができる身体になりたい」

と考えていました。

そこで、ヨニワンドを使い始めました。

最初の目的は、単純に強い刺激を得ることではありませんでした。

むしろ、

「自分の身体をもっと感じられるようになりたい」

という思いから、道具を使って自分自身の感覚に意識を向けようとしていたのです。

私は、その考え方自体はとても素敵だと思います。

何かをきっかけにして、自分の身体に意識を向ける。

今まで感じていなかった感覚に気づいていく。

そういう意味では、道具が自分の身体と向き合う入口になることもあると思います。

ただ、しばらく続けていく中で、少しずつ変化が起こりました。

最初は、

「今日はどんな感覚があるんだろう?」「この部分はどう感じるんだろう?」

と、自分の身体を感じることそのものに意識を向けていました。

ところが、丁寧に感じ続けることは、思っている以上に地味です。

すぐに大きな変化が起こるわけでもありません。

「今日は何も感じない」という日もある。

「前より少し感じるかもしれない」

という小さな変化もある。

それを焦らず観察していく必要があります。

そして彼女は、途中からそのプロセス自体が少し嫌になっていきました。

「自分の感覚を育てること」よりも、

「道具によって気持ちよくなること」

のほうに意識が向いていったのです。

もちろん、それが悪いことだとは思いません。

外からの刺激でオーガズムを楽しみたいときもあります。

ヨニワンドを使って気持ちよくなることも、その人自身が望んでいるのであれば自由です。

ただ、私はそこで一つの違いに気づきました。

それは、

「自分の感覚を育てること」と「強い刺激によって快感を得ること」は、似ているようで少し違うのではないか

ということです。

刺激が強ければ、身体は反応します。

でも、

「今、自分の身体は何を感じているんだろう?」

と静かに身体を感じる力は、また別のものなのではないでしょうか。

だから私は、フェムケアにおいて「道具を使ってはいけない」と言いたいわけではありません。

むしろ、道具から入ってもいい。

ヨニワンドを使ってもいい。
オイルを使ってもいい。
誰かに施術してもらってもいい。

ただ、その先に、

という問いを持っていてほしいのです。

道具が自分の身体とつながるための入口になるのであれば、とても素敵なことだと思います。

でも、いつの間にか、

「これがないと感じられない」
「もっと強い刺激が必要」

となってしまったときには、一度道具から離れてみてもいい。

何も使わずに、自分の呼吸を感じる。

手で身体を撫でてみる。

お腹や胸、骨盤周辺の感覚を感じてみる。

そして、自分の身体について、

「今、私は何を感じているんだろう?」

と静かに問いかけてみる。

私が大切にしたいのは、刺激を強くすることだけではありません。

刺激がなくても、自分の身体を感じられること。

そこに、自分自身の「感じる力」を育てていく大切な部分があるのではないかと、私は思っています。

私にとって「女性性」とは、感じることを許す力

私が「女性性」という言葉を使うとき、それは女性だけが持っている特殊な能力という意味ではありません。

私の中では、感じることを許す力。

力を抜くこと。

受け取ること。

自分の身体に意識を向けること。

自分の欲求を否定しないこと。

そういったものを含めて「女性性」と呼んでいます。

だから、

「もっと感じたい」

と思ったときに、まず必要なのは、

「何を使えばいい?」

ではないかもしれません。

むしろ、

という問いなのです。

道具を使うこと自体が問題なのではなく、道具を使っている自分自身の感覚に気づいているか。

そこが、私にとっては大切なのです。

そしてこれは、性に限った話ではないと思っています。

忙しく生きていると、私たちは身体よりも頭で生きる時間が増えていきます。

だからこそ、ときには何かを足すのではなく、何も足さずに自分の身体を感じてみる。

その時間そのものが、自分自身とのつながりを取り戻すきっかけになるのかもしれません。

「もっと頑張らなきゃ」を少し手放してみる

特に30代後半から60代くらいになると、「自分のために生きる」ということを、改めて考え始める方もいるのではないでしょうか。

  • 仕事
  • 家族
  • 子育て
  • 介護
  • 夫婦関係
  • 人間関係

これまで長い時間、

「誰かのために」

生きてきた女性もいると思います。

だからこそ、

「もっと頑張らなきゃ」

という生き方が身体に染み込んでいることがあります。

私がここで言いたいのは、

「仕事を辞めましょう」

でも、

「頑張るのをやめましょう」

でもありません。

ただ、

「まあ、今日はこれくらいでいいか」

という瞬間を増やしてみる。

「結果が出なくてもいいか」
「全部できなくてもいいか」
「今日は休んでもいいか」

そんなふうに、少しずつ身体に「大丈夫」を教えてあげる。

私は、そこにも女性性を開いていくための入口があると思っています。


女性性は、年齢ではなく「生命力」の中にある

ここは、30代、40代、50代、60代の女性にこそ伝えたいことです。

女性性を、「若さ」と結びつける必要はありません。

美しい身体だから感じられるわけでもありません。

20代だから開いているわけでもありません。

むしろ人生を長く生きてきたからこそ、

「私は本当は何が好きなのか」「何をされると嫌なのか」「どんなときに身体が安心するのか」

を知っていくことができます。

私にとって女性性とは、心の奥に宿る「少女」のような存在です。

それは、若く見せようとすることとは違います。

年齢を重ねた身体の中に、その人だけの瑞々しさがある。

私はそれも女性性の一つだと思っています。


本当のフェムケアは「自分に意識を向けること」

では、何をすればいいのでしょうか。

私が一番おすすめしたいのは、

何かを買う前に、自分の身体を感じることです。

たとえば、お風呂に入ったとき。

スマートフォンを置いて、少しだけゆっくり呼吸する。

  • お腹に手を置く
  • 胸に手を置く
  • お股に手を置く

そして、自分の身体を自然と感じてみる。

答えを出す必要はありません。

気持ちいい。

気持ち悪い。

何も感じない。

少し緊張している。

眠い。

安心している。

どんな感覚でもいい。

「感じよう」とすることそのものが、身体とのコミュニケーションになる。

私はこれが、本当の意味でのフェムケアの入口なのではないかと思っています。

寝る前や起きた後、ベッドやお布団の上で、自分自身を感じる時間をつくるのもとてもいいと思います。

目を閉じたまま、手をゆっくりと滑らせながら、身体全体を優しく、丁寧に撫でていく。

そして、呼吸を自然に感じる。

何かを変えようとしなくていい。

ただ、自分の身体に意識を向けて、自分自身を感じる時間にする。

それだけでも、少しずつ「自分の身体とつながる」という感覚が育っていくと思います。


自分の身体を、自分の手で知っていく

性的な感覚についても同じです。

マスターベーションは、自分自身の身体を知るための一つの方法です。

誰かに評価される必要もありません。

「ここが気持ちいいはず」という正解もありません。

自分の手で、ゆっくり触れてみる。

触れることを急がない。

何かを達成しようとしない。

オーガズムを目標にしない。

ただ、

「私は今、何を感じているんだろう?」

と観察してみる。

もちろん、性器に触れること自体に抵抗がある人もいます。

その場合は、無理に触る必要はありません。

お腹、胸、腕、背中、顔。

自分が安心できる場所から始めればいい。

大切なのは、

自分の身体を「感じる対象」として取り戻していくこと。

それは製品を買わなくても、今日から始められます。


デリケートゾーンに使うものだからこそ、慎重に選ぶ

そして、もう一つ伝えたいことがあります。

それは、

膣内やデリケートゾーンに使う製品は、普通の化粧品と同じ感覚で選ばないほうがいい

ということです。

膣は医薬品の投与経路としても研究・利用されており、膣から投与された薬物の一部が膣粘膜を通じて吸収されることが知られています。

一方で、その吸収の程度は、成分そのものの性質や製剤、膣の状態、年齢、月経周期などによって変化します。つまり、「膣に使えば何でも大量に吸収される」という単純な話ではありません。

だからこそ、

「自然由来だから安全」
「オーガニックだから大丈夫」
「植物由来だから安心」

と、言葉だけで判断するのではなく、

何が入っているのか。
どこに使うものなのか。
どのような安全性が確認されているのか。

を見ることが大切だと思います。

また、膣内には独自の微生物環境があり、香料などを含む製品や膣洗浄などが刺激やトラブルにつながることがあります。

だから、

「何かを足すこと」より「余計なものを入れないこと」

がケアになる場合もあります。


フェムケア商品を選ぶとき、「私は本当に必要?」と問いかける

もしフェムケア製品を購入するのであれば、

「女性性が開く」

「子宮が目覚める」

「感度が上がる」

といったキャッチコピーだけを見るのではなく、

その製品が何でできているのかを見てほしいと思います。

成分は何なのか。

どこに使用することを想定しているのか。

膣内使用なのか、外陰部など外側だけなのか。

どのような安全性の評価がされているのか。

そして、そもそも、

「私は本当にこれを必要としているのか?」

と自分に問いかけてみる。

もし女性が集まる場などで、性や女性性の話と一緒に商品を紹介されたとしても、そこで急いで決める必要はありません。

本当に必要だと思うなら、一度持ち帰って、時間を置いてから決めてもいい。

誰かを疑う必要もありません。

販売している人が、お金だけを考えているとは限りません。

その商品を本当に良いと思って、必要な人に届けたいと思っている人もいるでしょう。

だからこそ、

「売っている人が正しいか、間違っているか」ではなく、「私は自分で選んでいるか」

を大切にしてほしいのです。


女性性は「男性性の反対」ではない

もう一つ大切だと思っているのが、

「女性性を開く=男性性を捨てる」ではない

ということです。

仕事をする。
お金を稼ぐ。
決断する。
責任を持つ。

社会の中で自分を守る。

これらも、人生にとって必要な力です。

問題なのは、それらを持っていることではなく、

なのではないでしょうか。

  • 外ではしっかりしている
  • 仕事では強くいる
  • 家族の前では頑張る

でも、一人になったときには、

「何もしたくない」

ほど疲れている。

そんなときに必要なのは、

さらに何かを頑張ることではなく、

力を抜いても大丈夫な時間

なのかもしれません。

「開く」のではなく、「閉じなくてもいい」と気づく

私は最近、「女性性を開く」という表現そのものも、少し違うのではないかと思っています。

なぜなら、

「開かなければいけない」

と思った瞬間に、それもまた新しい努力になるからです。

もっと感じなきゃ。
もっと濡れなきゃ。
もっとオーガズムを感じなきゃ。
もっと女性らしくならなきゃ。
もっと開かなきゃ。

そうやって、

「女性性を開くために頑張る」

という矛盾が生まれてしまいます。

だから私は、

「開く」のではなく、「閉じなくてもいい自分に戻っていく」

という言葉を使いたい。

そのほうが、ずっと自然だと思うのです。


本当のフェムケアは、自分を「愛ぶする」こと

私がこの記事で一番伝えたいことです。

フェムケアという言葉を聞いたとき、

「何を買えばいい?」

と考える前に、

「私は、自分の身体に意識を向けているだろうか?」

と問いかけてみてください。

自分のお腹に触れる。

自分の胸に触れる。

ゆっくり呼吸する。

お風呂で身体を感じる。

性器に触れることが心地よければ、急がず丁寧に触れてみる。

そして、

「気持ちいいかな?」

「嫌かな?」

「今、何を感じているかな?」

と、自分に聞いてみる。

誰かのためではなく。

パートナーのためでもなく。

「女性性を開くため」でもなく。

ただ、

私はそれが、フェムケアの本質に近いのではないかと思っています。

あなたの身体は、商品になる前からあなたのもの

フェムケア市場が広がること自体を、私は否定したいわけではありません。

これまで語られなかった女性の身体について話せるようになったこと。

更年期や乾燥、性交痛などについて相談しやすくなったこと。

自分の性について考えるきっかけが増えたこと。

coentそういう意味では、フェムケアという言葉が社会に広がったことには大きな意味があります。

そして私自身も、「女性性の解放」をテーマにしたセッションを提供しています。

だから、

「商品やサービスにお金を払うこと=悪いこと」

だとは思っていません。

誰かの経験や知識、時間、技術に対してお金を払うことは、ごく自然なことです。

大切なのは、

お金を払うかどうかではなく、自分の意思で選んでいるかどうか。

「あなたには足りない」と言われたから買うのではなく、

「私はこれを受けてみたい」

「私はこれを使ってみたい」

と、自分で選ぶ。

それなら、その選択もまた自分自身を大切にする行為だと思います。

あなたの身体は、

商品を買った瞬間に価値が生まれるものではありません。

何かを使わなければ、女性性がないわけでもありません。

誰かに開いてもらわなければ、感じられない身体でもありません。

あなたは、あなたの身体を感じていい。

自分の欲望を感じていい。

自分の「嫌」を感じてもいい。

触れたくなければ触れなくていい。

触れたいなら、触れていい。

その選択を、自分自身に返していく。

私はそれこそが、

「自分の性を自分のものとして取り戻すこと」

なのではないかと思っています。


何かを足す前に、自分に戻ってみる

フェムケア商品を使ってはいけない。
ヨニワンドを使ってはいけない。
オイルを使ってはいけない。

私はそんなことを言いたいわけではありません。

必要な人にとって、適切な製品が役立つこともあります。

私自身も、女性性の解放をテーマにしたセッションをしています。

だからこそ、

外側から何かを取り入れることと、自分自身の内側に意識を向けること。その両方があっていい。

私はそう思っています。

ただ、

「商品を使えば女性性が開く」

という一方向の考え方には、少し立ち止まってみてほしい。

本当に大切なのは、

商品より先に自分がいること。

方法より先に、自分の感覚があること。

「何をすればいい?」

よりも、

「私は今、何を感じている?」

と自分に問いかけること。

忙しい毎日の中で、ほんの数分でもいい。

呼吸を感じる。

お腹を感じる。

胸を感じる。

身体を撫でる。

そして、

「今日もよく頑張ったね」

と、自分の身体に触れてあげる。

女性性は、どこかから持ってくるものではなく、

あなたの中に、最初からあるものなのかもしれません。

だから私は、

「もっと開かなきゃ」

ではなく、

「もう少し、自分を感じてみよう」

というところから始めてみることをおすすめしたいです。

それは、何かを買わなくても、

今日からできるフェムケアです。


目合ひを、もっと深く知りたい方へ

目合ひとは何なのか。
性、身体、女性性・男性性、人と人とのつながり、自分との向き合い、
私が探究していることをメールでお届けします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目合ひに出会ってから、セックスに戻れなくなりました。

セラピスト・カウンセラー・目合ひの人

性欲も、睡眠欲も、食欲も。
人間に自然に備わっているものを否定せず、
自然の流れに沿って生きることを探究しています。

コメント

コメントする

目次