現代社会に対して違和感を感じることがあります。
それは、
セックスの特別扱い


喉が渇いたら水を飲むように。
腹が減ったら食べるように。
疲れが溜まったら眠るように。
恋人やパートナーがいたらセックスをする。まぐわう。心と体を重ねる。
三大欲求に含まれるほど、性欲は人間として持って生まれたもので、生きる上では欠かせないのです。
では、性行為はなぜ特別扱いされるのか。
そしてそれが夫婦やカップルにどんな影響を及ぼすのか。
今回はそれをみていきます。
三大欲求なのになぜ性欲だけが特別視されるのか?


三大欲求には食欲、性欲、睡眠欲があります。
これらは全て自然な欲求です。
「喉が渇いた。」
「お腹が空いた。」
「眠たい。」
これをいうことは普通ですが、
「パートナーとふれあいたい」
「性欲がある。」
「セックスしたい。」
「まぐわいたい。」
ということは言いづらい。
カウンセリングを通して、性欲に対して素直になることを恐れている印象を受けます。
まるで、性欲のある自分が悪いかのように。性欲があることが恥ずかしかったり、自分を責めたりする人もいます。
これはもっと大きな視点で見てもそうです。
セックスを当たり前に話すことを拒む風潮があり、
セックスを特別なイベントとして飾ろうとする社会が見られます。
現代社会は「セックス=特別なイベント」という空気を作っている。
- デート
- 誕生日
- 記念日
- クリスマス
- バレンタイン
- ハニームーン
- 高級ホテル
- ランジェリー
これらに共通するのは「非日常」や「特別感」
それ自体は悪くありませんが、性行為がこの行事に関わってしまっています。
つまり、「今日は特別だからセックスする」というイメージが無意識に刻まれやすいのです。
また、メディアや広告では
セックスは特別な日を彩るイベントのように描かれることも少なくはありません。
ここからが本題です。
セックスが特別になるほど、日常から遠ざかる


「今日は疲れている」
「今日は気分じゃない」
「明日は仕事だから」
「セックスは週に1-2回で十分」
「セックスしたくなる環境が欲しい」
上記のような理由でセックスを断られたことがあるかもしれません。
以前付き合っていたパートナーは「昨日したんだからなんで今日するの?」という形でよく断られていました。
私自身の経験も踏まえて感じることですが、
「セックスは特別な時にするもの」
という認識が強ければ強いほど、セックスのお誘いを断る可能性が高いと思います。
その雰囲気を作らないといけない。
特別な日やイベントでないといけない。
そのような「特別感」や「非日常」がセックスと関連付けされている限り、夫婦やカップルの関係に、すれ違いが生まれやすくなります。
なぜなら、一回か二回はお誘いを断られても大したことがないかもしれませんが、何度も断られ続けると、
「私って魅力的ではないのかな?」
「もう一緒になりたくないのかな?」
「別の誰かと会っているのかな?」
などと不安要素を作ったり、自分の存在価値を疑ってしまったり、
誘った側が悪い
かのように感じてしまったりします。
そして、人によっては「今度誘われたら、今度はこちらが断ってやろう」という復讐心が芽生えたりすることも。



「性欲がある人」が悪者になってしまう


カウンセリングをしていると「セックスしよう」と誘う側に非があるような状況ができてしまっていることに対してよく相談を受けます。
まるで、性欲に振り回されている人、あるいは性欲ばかり考えている人のように見られてしまう。
しかし、ここで改めて考え直す必要があります。



お父さんとお母さんがセックスをして、そこから私たちは誕生しました。
つまり、性欲をお互いが持っていなかったら性行為なんてなかったし、自分も生まれていなかった。
だからこそ、性、性欲、セックス、これらは全て尊いものなのです。
食べることや眠ることも同じように神聖な営みだと考えています。例えば、食べる時にいただきますと言いますね。
「いただきます」という言葉には、食材や命、生産者への感謝など、さまざまな意味が込められていると言われています。神が与えてくれた食べ物への感謝という見方もあります。
それと同じです。
食欲があることは自然。
睡眠欲があることは自然。
そして、性欲があることも当然なのです。
だから、
性欲を持っていることに対して罪悪感や恥ずかしさを1%も持つ必要はないと思っています。
もちろん、性欲が自然なものであることと、相手の意思や体調を尊重することは別の話です。
大切なのは、性欲そのものを否定したり恥じたりするのではなく、お互いを尊重しながら向き合うことだと私は考えています。
ただ、よく見られるのは自分が性欲まみれの人だと見られるのが嫌で、それがきっかけでふれあいがなくなってレスになってしまうというケース。


セックスは「日常の延長線上」にある
セックスだけを日常から切り離してしまうと、「今日はする・しない」というプレッシャーが生まれやすくなります。
その結果、「誘うのが怖い」「断るのが申し訳ない」という空気が積み重なり、少しずつ距離ができてしまうこともあります。
日々のふれあいが、自然な関係を育てる
反対に、普段から触れ合いがある夫婦は、セックスだけが特別なコミュニケーションではありません。
- 手をつなぐ
- 肩に触れる
- ハグをする
- 隣に座る
- 頭をなでる
- キスをする
こうした何気ないスキンシップの積み重ねが、お互いへの安心感や親しみを育てます。
その延長線上にセックスがあると考えると、「する・しない」という二択ではなく、普段から愛情を伝え合う一つの形として受け止めやすくなります。
スキンシップが減ると、セックスだけが重くなる
普段まったく触れ合いがない状態で、「今日はセックスしよう」となると、お互いに心理的なハードルが高くなります。
久しぶりだから緊張する。
断られたら傷つく。
期待に応えられなかったらどうしよう。
このような不安が積み重なると、さらに誘いづらくなり、結果としてセックスレスにつながるケースも少なくありません。
だからこそ、まず大切なのは日々のスキンシップです。
セックスは「ゴール」ではなく「日常の一部」


セックスは、夫婦やカップルの愛情を測るテストではありません。
また、「義務」でも「ノルマ」でもありません。
食事を一緒に楽しみ、会話をし、笑い合い、ときには手をつなぎ、抱きしめ合う。
そんな毎日の積み重ねの先に、ごく自然に存在するコミュニケーションの一つです。
日常の触れ合いが豊かになるほど、セックスだけに大きな意味やプレッシャーを背負わせる必要はなくなります。
だから私は、夫婦・カップルにとって大切なのは「セックスを増やそう」と考えることではなく、
「毎日の触れ合いを少しずつ増やそう」
と考えることだと思っています。


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