
結婚して子どもが生まれると、多くの夫婦が自然とお互いを「パパ」「ママ」「お父さん」「お母さん」と呼ぶようになります。
もちろん、それ自体が悪いことではありません。
子どもにとって分かりやすい呼び方であり、家庭の中ではごく自然なことです。
しかし、その呼び方が夫婦二人だけの時間でも当たり前になってしまうと、少しずつ「父親」「母親」という役割が強くなり、お互いを一人の男性・一人の女性として見る機会が減ってしまうことがあります。
すると、恋人同士だった頃のようなドキドキや、ときめき、スキンシップが少しずつ減っていきます。
そして、その積み重ねが夫婦の心の距離を広げ、やがてセックスレスにつながることも少なくありません。
もちろん、親であることはとても大切です。
ですが、その前に二人は、
お互いを愛し合って結婚した一人の男性と一人の女性でした。
この記事では、子どもが生まれても「親」である前に「夫婦」であり、「異性」であることを忘れない大切さについてお伝えします。
子どもが生まれると夫婦関係が変わりやすい理由(レスになることも)
新しい命が宿ることは、夫婦にとって人生が大きく変わる出来事です。
妊娠が分かった日から出産、そして子育てまで、生活の中心は少しずつ赤ちゃんへと移っていきます。
特に、約10か月もの間、お腹の中で赤ちゃんを育ててきたお母さんにとって、その存在は何にも代えがたい大切な存在です。
また、お父さんも「家族を守らなければ」という責任感が強くなり、仕事や育児に意識が向くようになります。
このように、夫婦が子どもに愛情を注ぐことはとても自然で素晴らしいことです。
しかし、その一方で、子どもを優先する毎日が続くと、夫婦二人だけの時間が少なくなり、お互いへの愛情表現やスキンシップ、セックスが後回しになってしまうことがあります。
「今日は疲れたからまた今度。」
「子どもが寝たら自分も寝てしまった。」
そんな日々が積み重なることで、少しずつ心の距離が生まれ、やがてセックスレスにつながってしまう夫婦も少なくありません。
もちろん、子どもを大切にすることは親として当然のことです。
しかし、忘れてはいけないのは、お二人は「親」になる前に、お互いを愛し合って結婚した夫婦であり、一人の男性と一人の女性だったということです。

形は変わることがあっても、お互いを思いやり、触れ合い、心を通わせる時間は、夫婦関係を支える大切な土台になります。
以前の記事「セックスは特別なことではない|三大欲求から考える夫婦のスキンシップ」でもお伝えしましたが、人には食欲・睡眠欲・性欲という三大欲求があります。


食事を一緒に楽しみ、安心して眠り、そしてスキンシップやセックスを通して愛情を確かめ合うことは、どれも夫婦が心身ともに健康な関係を築くために欠かせないものです。
子どもを大切にすることと、夫婦を大切にすることは、決してどちらかを選ぶものではありません。
夫婦がお互いを大切にできるからこそ、子どもにとっても安心できる家庭を築くことができるのです。
「パパ」「ママ」という呼び方が夫婦関係に与える影響
子どもが生まれると、お互いを「パパ」「ママ」と呼ぶ家庭は少なくありません。
子どもにとって分かりやすい呼び方であり、家族としてはとても自然なことです。
しかし、夫婦二人だけの時間でも常に「パパ」「ママ」と呼び合うことが当たり前になると、お互いを一人の男性、一人の女性として見る機会が少しずつ減ってしまうことがあります。
人は呼び方だけでなく、その呼び方に伴う「役割」も無意識に受け入れます。
「お父さん」「お母さん」と呼ばれ続けることで、頭の中では親としての役割が優先され、恋人同士だった頃のような異性としての意識が薄れてしまうこともあるのです。
私は夫婦カウンセリングをしている中で、セックスレスに悩んでいる夫婦のお話を伺う機会があります。
もちろん、すべての夫婦に当てはまるわけではありません。
しかし、お互いを「パパ」「ママ」と呼び合うことが日常になり、いつの間にか夫婦ではなく「子育てのパートナー」になっているケースは少なくないと感じています。
すると、自然と手をつなぐことやハグをすること、キスをすることも減っていきます。
そして、スキンシップが減ると、心の距離も少しずつ離れていき、やがてセックスレスへとつながることもあります。
私が大切だと思っているのは、「パパ」「ママ」と呼ぶことをやめることではありません。
夫婦二人だけの時間は、お互いを一人の男性、一人の女性として向き合う時間を意識して持つことです。
例えば、
- 名前で呼び合う時間を作る。
- 二人でデートの時間をとる。
- 手をつないで散歩をする。
- 朝起きてからハグをする。
- 肩や腕に触れることを習慣化する。
そんな小さな積み重ねが、「親」という役割だけではなく、「夫婦」「異性」としての関係を思い出させてくれます。
子どもにとって理想の家庭とは、完璧な親がいる家庭ではありません。
お父さんとお母さんがお互いを大切にし、愛し合っている家庭です。
だからこそ、私は「親」である前に、「夫婦」であり、「異性」であることを忘れないでほしいと思っています。



親である前に、夫婦であり異性であることを忘れない
海外では、子どもが生まれても夫婦だけの時間を大切にする文化が根付いている国が少なくありません。


例えば、信頼できるベビーシッターや祖父母・親戚に子どもを預けて夫婦で食事やデートに出かけたり、夫婦だけの時間を意識的につくったりする家庭があります。
また、子どもがある程度成長すると、子どもは子どもの部屋で寝るという考え方も比較的一般的です。
もちろん、どちらの文化が正しいという話ではありません。
しかし、こうした文化の背景には、「親である前に、まず夫婦である」という考え方があるように私は感じています。
一方、日本では子どもが家庭の中心になりやすい傾向があります。
添い寝や川の字で寝ることも多く、育児の時間も夫婦の生活の中心になります。
さらに、昔の日本は三世代同居や地域全体で子どもを見守ることも珍しくありませんでした。
おじいちゃん、おばあちゃん、近所の人たちが自然に子育てに関わっていたため、育児の負担が今ほど夫婦だけに集中していなかったとも考えられます。
しかし現在は核家族化が進み、育児の多くを夫婦だけで担う家庭が増えました。
夜は子どもと一緒に寝る。
休日も子ども中心で過ごす。


気づけば、夫婦だけでゆっくり会話をする時間も、手をつなぐ時間もなくなっていた。
このような生活が何年も続けば、スキンシップやセックスが減ってしまうのも不思議ではありません。
私は、ここで一度立ち止まって考えてほしいことがあります。
子どもを大切にすることと、夫婦を大切にすることは、決して対立するものではありません。
むしろ、夫婦がお互いを思いやり、笑顔で会話をし、スキンシップを取り合える家庭だからこそ、子どもは安心して成長できるのではないでしょうか。
だから私は、「子どもがいるから夫婦の時間はなくても仕方ない」とは考えていません。
子どもがいるからこそ、意識して夫婦だけの時間をつくる。
子どもがいるからこそ、お互いを一人の男性、一人の女性として大切にする。
それが、結果として親としての関係も、家族全体の幸せも育てていくと考えています。
親という役割は一生続きます。
しかし、子どもが成長し巣立ったあとも隣にいるのは、父親や母親ではなく、人生を共に歩んできた一人の男性と一人の女性です。
だからこそ私は、「親である前に、夫婦であり、異性であること」を忘れないでほしいと伝え続けたいと思っています。
異性として向き合う時間がスキンシップを育てる
私は、スキンシップは恋愛の土台であり、関係が育っていく過程であり、そして二人の愛情が成熟した先に実る果実でもあると考えています。
恋愛の始まりでは、手をつなぐことや抱きしめることが、二人の距離を縮めます。
関係が深まっていく中では、触れ合うことで安心感や信頼が育っていきます。
そして長い年月を共に過ごしたあとも、スキンシップは「今もあなたを大切に思っている」という気持ちを伝えるものになります。
つまり、スキンシップは結婚するまでのものでも、子どもが生まれるまでのものでもありません。
結婚してからも、親になってからも、形を変えながら続いていくものです。
そのために大切なのが、お互いを異性として認識し続けることです。
もちろん、夫婦は共に子育てをするパートナーです。
生活を支え合い、家事や仕事、育児を協力して進めていく大切な仲間でもあります。
しかし、それだけになってしまうと、夫婦はいつの間にか「家庭を運営するチーム」になり、お互いに触れたい、近づきたいという感覚が薄れてしまうことがあります。
夫婦は、子育てのパートナーであると同時に、お互いの人生を豊かにする恋愛のパートナーでもあります。
最近好きになったもの。
仕事に対する考え方。
年齢を重ねる中で変わっていく表情や身体。
人は毎日少しずつ変化しています。
それなのに、「もう相手のことは全部分かっている」と思った瞬間から、興味を持つことをやめてしまいます。



「この人は今、何を感じているのだろう」
「最近、どんなことに心を動かされているのだろう」
「もっとこの人が見ている世界を見てみたい」
そのように相手への興味を持ち続けることが、会話を生み、触れ合いを生み、夫婦の間に新しい愛情を育てます。
異性として向き合うというのは、いつまでも若い頃と同じ恋愛を演じることではありません。
年齢や環境の変化を受け入れながら、その時々の相手の魅力に気づき、もう一度好きになり続けることです。
夫婦でいる時間が長くなるほど、愛情は当たり前のものになりやすくなります。
だからこそ、
- 名前を呼ぶ。
- 目を合わせる。
- 手をつなぐ。
- 抱きしめる。
- 隣に座る。
そんな小さなスキンシップを、日常の中で大切にしてほしいと思います。
スキンシップがあるから愛情が育ち、愛情が育つから、また触れたくなる。
その循環が続く限り、夫婦は親になったあとも、異性としての関係を育て続けることができます。
親が幸せだと、子どもも幸せになる


子どもの一番の願いは、お父さんとお母さんが仲良く、ハッピーに暮らすことではないでしょうか。
私は小さい頃、そう思っていました。
なぜなら、子どもは親の顔色や、そこから伝わってくる空気やオーラを感じ取り、「お父さんとお母さんは幸せなのか、そうではないのか」を敏感に感じているからです。



だからこそ、親としての責任とは、子どものためだけに頑張ることではありません。
親としての責任は、ハッピーな夫婦でいること。
ラブラブな夫婦でいること。
夫婦がお互いを大切にし、笑顔で会話をし、自然にスキンシップを取り、愛し合って暮らしている。
そんな家庭で育った子どもは、「夫婦っていいものなんだ」「家庭って温かいものなんだ」と自然に感じながら成長していきます。
子どもは、親の背中を見て育ちます。
だからこそ、子どもを幸せにしたいのであれば、まずは夫婦が幸せになることです。
夫婦が幸せになれば、子どもも自然と幸せになる。
夫婦がハッピーなら、子どももハッピーになる。
私は、そう信じています。
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